前橋商工会議所(群馬県)
- 団体の設立経緯・概要
- 当商工会議所は、現在約4,000社の会員に支えられ3つの基本方針 ①会員企業の発展に繋がるきめ細かな経営支援 ②歴史や文化、地域資源を生かした活力あるまちづくり ③全国の商工会議所と連携した強固な政策提言機能の確立のもと、組織ビジョン、まちづくりビジョンに基づき事業に取り組んでいる。
- 企画者の感想
今回の視察研修会では、「高レベル放射性廃棄物の地層処分について」と題した事前研修と、「原子燃料サイクル施設」見学会の内容だった。事前研修では日本の原子力発電状況から、発電事業によって排出される低・高レベル放射性廃棄物の処分方法や現状について学んだ。低・高レベル廃棄物の処分方法は、自国内で最終処分することが国際的な合意であり、地中及び地層処分を前提としている。特に現在保管中の19,000t超の使用済燃料(原子力発電によって排出)は、中間処理施設(六ヶ所村に建設中)にてリサイクル(再処理)後にガラス固化体への処置と30~50年程度保管を経て地層処分できることや、最終処分施設に係る諸問題(高レベル放射性廃棄物の処分地未決定)と長期監視(300年間)の必要性等、最終処分に係る実情について深く理解することができた。見学会では、低レベル放射性廃棄物の施設の立地の経緯や各施設の概要について説明後、ウラン濃縮工場・低レベル放射性廃棄物埋設センター・高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター・再処理工場(建設中)・MOX燃料工場(建設中)等を車窓見学した。様々な自然災害を教訓に各施設の安全基準は最高レベルの新規制基準へ見直されており、重大事故等を防ぐためのあらゆる災害想定にも耐えうる2重3重の安全対策計画が実行されていることを大変理解できた。今後は、本施設研修会により深められた知識・情報を多くの方々へ正確に伝えたいと思っている。
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- それほど興味関心なかったが、今後の動きや世界的な動向を含めて非常に興味が湧いた。
- 本来原子力発電を開始する時点で決まっているべきであった最終処分方法であるので、至急決めなければならない事を国を挙げて周知するべきと思う。民間、県市町村で解決できる問題ではないように思える。
- 見聞きすることで、理解を深められた。この見学機会はとても大切だと思う。国民理解には必要。
- エネルギー全体(利用)の負担がどうあるべきか、地域、時間(世代)について、考えさせられた。正解はなく、今を生きるひとりひとりが考えて発信し、正しい選択をすることが大切であると再認識した。
- 二重、三重、四重の安全対策を知る事が出来て良かった。最終工程での時間の長さに驚いた。
- 今後のエネルギー施策を考える上で、原子力発電は重要な位置付けであり、研修、見学を通してそれに関する理解が深まった。
- 原子力発電における廃棄物の処分に莫大なコストがかかり、安全第一での基準の変更に対応するために更にコストアップ。完工の遅れが一般の方々へいかにPRしてゆくか。政府主導でもっと動きを早くした方が良いと思う。