東海大学工学部有志勉強会(神奈川県)
- 団体の設立経緯・概要
- 今後、30年以内にカーボンニュートラルを目指している日本にとって、原子力エネルギーの果たす役割は今以上に重要になると考えられる。原子力を持続可能なエネルギーとして利用する為には、核燃料サイクルの実現と放射性廃棄物処理・処分の問題解決が必要であり、これらは日本の喫緊の課題であると認識している。 私たちは、東海大学工学部原子力工学科において原子力技術や放射線利用について幅広く学んできたが、この度、学部改組により原子力教育に関連するカリキュラムが変更となり、新入生が原子力分野に対し深い学びを得る機会が縮小してしまった。このため、本支援事業制度を活用し、我が国のバックエンド関連施設の見学を通して核燃料サイクルや放射性廃棄物処理・処分の現状を把握するとともに、4年生で実施する卒業研究へ繋げることでこの分野の人材育成に貢献することを、団体の設立目的としている。
- 企画者の感想
以前から、私たちは原子燃料サイクルや再処理の過程、低レベル放射性廃棄物の埋設、高レベル放射性廃棄物の処分について大学の授業で学んでいたが、実際に現場を訪れ体感することで、机上での勉強よりも解像度の高い理解を得ることができた。個人的に最も印象的だった点は、いつも資料で見ている高レベル放射性廃棄物の貯蔵の様子を実際に見ることができた点である。高レベル放射性廃棄物が貯蔵されている様子を直接見ることで、「本当に存在するんだ」と高レベル放射性廃棄物に対する現実味が沸き、私たちが挑まなければならない、解決しなければならない問題であるということを改めて強く実感させられた。今回の実習では、“その場所に行く“という行為を通じて、日本の原子燃料サイクルの現状をはじめ、そこから生まれる放射性廃棄物の行方について施設周辺の環境を肌身で感じることができ、深い学びを生み出すことができた。また、団体設立の経緯となった、新入生に対しては、日本の現状把握と課題に対しどのように向き合っていけばよいのかを考えるきっかけとなったように思う。
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- 授業で、机上だけで学んでいた内容を実際目にすることができ感動した。ここまで現実的に動いているのに、早く事業として運用されないのは本当にもったいない。
- 原燃のセキュリティの厳重さ、新規制による変化などを間近に体験でき、とても良い経験になりました。
- どのようにして、地層処分の計画を進めているかわかりました。
- 再処理工場の規模の大きさが想像以上で、今まで写真でしか見たことのなかった施設の見学ができて、大変満足しています。
- 今回の活動に参加したことにより核燃料サイクルや廃棄物処理に関する知識がより豊かになったと思う。
- 今まで知らなかった原子力の廃棄物について初めて知ることがたくさんありとても面白かった。