地層処分コミッティー(兵庫県)
- 団体の設立経緯・概要
- 昨年度から地層処分事業についての学びや考えを深めてきた。地層処分事業について知っていく中で「誰かがやること」から「自分ごととして考えるべきこと」へと捉え方の変化があり、これからの私達の未来について考えるうえでも、これは必要不可欠なものであると認識するようになった。地層処分事業についてより多くの同世代と意見を交換し合い、共に考えていく必要性を強く感じたため、この団体を設立した。同世代を巻き込み「自分達もステークホルダーである」という自覚を持たせるとともに、さらなる地層処分事業の認知拡大、理解促進への具体的な方法の模索、そのステップを得るために、六ケ所原燃PRセンターへの視察を希望する。
- 企画者の感想
私自身もある程度地層処分について学んでから視察に臨んだが、資料で見ていた以上に人同士の繋がりを感じた。地層処分事業において最も懸念されるだろう安全面では、住民の方々としっかりとコミュニケーションを取り、単なる「地層処分事業」ではなく、「社会づくり」という役割を担っているのだと気づかされた。善悪で決めつけるよりも、なぜ地層処分が必要か、なければどうなるのかという点において、私達は他人ごとにしすぎている気がする。新幹線で6時間の距離を経た先に広がっていた光景は、自分も知って取り組んでいくべき未来であるのだと実感できた。実際に施設の中を見学していくうちに、自分も一度は耳にしたことがある企業が連携していることや、多くの人々が出入りし、またその英知を結集して再処理施設を動かしていることを知った。「本来は賞を取れる能力を持った人々が、ここでしていることは決して外部に漏れることはないし、知れ渡り表彰されることもない。けれど彼らは、自分達のしていることに誇りを持って働いている。」と、バスの中で職員の方がおっしゃったこの言葉に、私は感動した。自分も就職を前にして、何のために働くのかという問いを自分自身に投げかけたことがある。お金のためやスキルアップのためなど、様々な動機は思いつくが、そこに誇りという動機はなかった。職員の方は、「表彰されることはない」とおっしゃったが、それは違う気がする。確かに極秘の仕事内容であり、どれほど素晴らしい技術かという事を論文で発表することは出来ないかもしれない。しかし、様々な声を受けながらも核という大きな力をコントロールし、安全に最善を尽くし、日本のインフラを担う皆さんの事を、少なくとも見学に行った私は知っているし、感謝と尊敬の気持ちを抱いた。今回の視察で学んだのは知識だけでなく、そこに携わる様々な人々の想いであったと感じている。この気持ちを忘れずに、自団体でも地層処分に関する取り組みを行っていきたいと感じた。
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- 自分が気にしていた安全面に関して、想像以上のケースをふまえた対策がされていることに感動しました。私達人間は小さく力もあまりないけれど、多くの人の知識が結集して動かされている施設なのだということを知りました。単に「危ない」という面のみ見てしまうことは、しょうがないことかもしれませんが、こうして自分達の安全でエコな電力供給のためにたくさんの人が仕事をしているということを忘れてはいけないと思いました。
- 普通に生活していればあまりなじみのない地層処分だが、未来のことを見据え、かつ安全性も徹底的に考慮された長期的な事業であることが分かりました。地層処分に対して、一般の人からは賛否両論あると思うが、まずは身近に感じてもらうこと、そして功罪も正確に伝えることが大切だと思いました。
- 大勢の方が携わって行われる事業だと実感ができました。想像以上にスケールの大きい現場で、セキュリティ面などを体感できてより一層この事業に関わる仕事がしたいという気持ちが強まりました。
- 過去の活動で、発電所の視察の機会はあったが、地層処分についてはまだ理解が甘く、今回の機会で見て学ぶことができて、とても実感が湧きました。かつ、普段生活できているのは多くの人に助けられていることに気がついて大変感動しました。
- 原子力発電による高レベル放射性廃棄物がどのように処分されるかが当初は分からず、地層処分以外の方法もあるのではないかという考えを持っていました。しかし、安全性や技術といったことについて現物を見ることで地層処分が最適と認識できたのは良い機会でした。
- 想像していた以上に多くのことを考えられていて、また多くの研究、活動がされていることに驚きました。個人的に単語だけは知っていたものの、わからない言葉や、その詳しい内容については知らなかったので、そのことについて説明していただき、とてもワクワクしました。