崎田氏 | 最終処分について自ら関心を持つだけでなく、周りの方や社会の人たちにも関心を持ってもらうための活動に大変ご苦労されていると思うが、どういうふうに考えて取り組んでいるのか聞かせてほしい。 |
大浦氏 | 地層処分について、もっと若い人に関心を持ってもらいたいと考えている。若い人に勉強会等に参加してもらうために、場のデザイン・雰囲気づくりが必要と考え、カフェバーやディスコ等若者が一度行ってみたいと思いそうな場所で勉強会を開催した。リーフレット1枚にしても漫画を使う等いろいろな人が見てもらえるように頭を悩ませながら若い人を巻き込めるよう努力した。 |
澤田氏 | 全国の中学生等を集めて議論を行う中学生サミットを実施している。参加学生が、まずは「賛成」「反対」という考えに捉われずに、ゼロベースで講義を聞き、皆で話し合いを行いながら相手の考えを取り入れ、自分の考えをバージョンアップしていけるように取り組んでいる。また、議論をファシリテートするリーダー的な学生の育成も行っており、意欲的な子に声をかけてファシリテートしてもらう。その学生を見ていた他の学生は次の機会に自分もやってみようとつながっていく。つなげていくことがとても大切である。 参加学生の募集等のアプローチは、地域で似たような活動を行っている方を頼りに協力をお願いしている。そのため、この全国交流会は地域の方々と知り合いになれるいい機会となっている。 |
平澤氏 | 学生が地層処分だけに関心を持つかというと、それは現実的ではないと思っており、勉強会等に参加してもらうためには、例えば「普段会えないエネ庁の人に会える」「自分たちが会の企画・運営ができる」等の特典を準備しておく必要があると思う。単発で終わらせるのではなく、一緒に企画・運営した仲間が別の団体で勉強会等を企画し、どんどん広がっていけばと考えている。 |
崎田氏 | 楽しい仕掛け、場づくりのためにはどうしたらよいかアドバイスをいただきたい。 |
大浦氏 | 場のデザインづくりで、何か新しい方法や手段を取り入れる時には、自分一人で考えるのではなく、周りの方からアドバイスをもらいながら取り組んでいる。関心を持ってもらうには、その人の心に響く「動機づけ」が必要だと思う。この全国交流会にはいろいろなアイデアを持った人が集まっているので、交流できればと思っている。 |
崎田氏 | エネ庁やNUMOに、今後こういうふうに事業を進めてほしいという要望や期待することがあれば聞かせてほしい。 |
澤田氏 | 現在行っている中学生サミットに生徒を参加させたいと考えている学校は潜在的に多いと思っており、今後はもっと広げていきたい。 参加学生から「原子力のこと、NUMOのことを普通の学生は知らない。もっと知ってもらった方がよい」との意見が出ていた。裏を返せば、若い世代にNUMOの存在感がないということである。 |
平澤氏 | 組織より個人の力が強くなっている時代だと感じており、発信力の高い個人と組んだり、インスタグラムのフォロワー数の多い人と組む等、SNSでの発信に力を入れてはどうか。若い世代はSNSをよく使うので知る機会を創出できるはず。 |
大浦氏 | 人を集める力を持っている方と、アイデアやコンテンツを持っている方をうまくつなぐような仕掛けを考えれば、もう少し活性化するのではないか。著名人の講演、ゲーム、VR等の企画をたくさん準備しておいて、そこから好きな企画を選んでもらうような形にしておけば、活動が進めやすくなるのではないか。 |
吉村 | コンテンツの提供等議論のきっかけがあれば、参加されている方は議論がしやすくなると思う。例えば、カードやゲームを使った理解活動等、大事な議論をする時に初めて聞く方が集まるようなきっかけになるようなことを企画していきたい。 学生フォーラムを学生に企画・運営してもらった際、参加者勧誘のための案内ポスターを学生が作ったが、インパクトのあるメッセージとイラストに会の名前と日時の記載があるだけで、会の内容や場所の情報はなかった。実はポスターにQRコードがあって、これを読み取ることで会の詳細が分かる仕組みになっていた。大人の考えではそういったデザインにはならず、若い世代には若い世代のアイデアを活用して情報発信していくのが大事と気付かされることとなった。 |
伊藤 | NUMOという組織が世の中に知られていないというのは、私どもの努力不足であると思っており何とかしないといけないと感じた。若い世代には、文字よりも写真、写真よりも動画というような、時代の流れに合わせて訴求していかなければならない。 地域で活動されている方々をつなぐ仕組みも大事であると考えており、学習支援事業に取り組んでいる方を対象としてフェイスブックに交流広場をつくった。ぜひご利用いただき、情報共有・交換をしていただきたい。 |
崎田氏 | 皆さんの自らの学び合いから、地域での話し合いといった場につなげるときに、特に次世代の方々を巻き込んだ対話の場を広げていただければと思う。その際、皆で話し合いを行う動機づけ、場づくり、いかに皆さんに興味を持っていただけるような場をつくっていけるかが大事なポイントだと思う。 そのような場をつくった後の情報提供に関しては、若い方々からは地域が将来どうなるのかということに関して情報がほしいと言われることが多いので、どのような情報を準備するのかということについてもエネ庁やNUMOにしっかり考えていただき、学び合いや対話の場を応援していただきたい。 |