和歌山ゴールドライオンズクラブ(和歌山県)
事前勉強会の様子
- 団体の設立経緯・概要
- 国連とも提携している唯一の社会奉仕団体で国際的な災害や貧困への継続的な支援を行っている。また、国内においても東日本大震災や熊本地震の支援活動や、それぞれの地域での社会貢献活動を行っている。災害支援に関しては関西広域連合とライオンズクラブが支援協定を締結し、大災害発生時の支援体制を整えている。同クラブは、南海トラフ地震への対応として沿岸部の幼稚園と保育園へのライフジャケットの寄贈(和歌山県知事と協定締結)、薬物乱用防止啓発講演会(和歌山県と連携)、献血支援活動(厚生労働大臣感謝状)、地球環境保全のための和歌山市水軒浜や和歌山市直川への植樹活動などを行っている。
- 和歌山ゴールドライオンズクラブは平成15年5月に設立され、本年度は設立15周年を迎えている。その一環として地球環境問題とエネルギー問題の研修機会を得たいと考えている。
- 企画者の感想
- 放射性廃棄物の存在や処分が必要ということ自体を知らない会員がいたということは事実。日頃、当たり前に電気を使っているが、もっと現実を勉強する必要があると感じた。そういう意味でこのような機会を得られたことは非常にありがたい。もっと多くの方々に現実を知ってもらう必要があるのでは。
- 施設見学についてはバス車中で説明をしていただいたものの、機器をほとんど見ることができなかったので、多少消化不良の部分があるのは正直な感想。核物質を扱っているのでやむを得ないことは理解出来るが、もう少し工夫できないものかと感じた。また、PR館が休館日であったため、いきなりバス見学が始まったが各施設の概要、役割程度の説明があった方がよかったのかも。たまたま、前日NUMOの方から原子燃料サイクルの説明があったため、ある程度は理解していたが・・・。
- 地域との共生に大変なご苦労をされたとお聞きしたが、処分場誘致のメリット、デメリットがあるはず。そこの説明がほとんどなかったのが残念。交付金、雇用などのメリット、万一の際のデメリットなど。安全性についても、世界的には地層処分が最適、科学的に分析すると安全など一言で済まさず安全性についてはもう少し時間を割いてほしいと感じた。
- 最後に前述のとおり、身近に感じていなかった地層処分を真剣に考える良いきっかけとなったため、非常に良い視察であったと思う。一方で、この課題を知らない国民が少なくない現実を鑑みると、電気を使っている全国民にこの課題を認識させ、考えてもらう必要があることから地道な長い活動と広報のやり方に工夫が必要だと感じた。
- 情報発信
例会での報告の様子
- 9月6日に開かれた例会(参加人数40名程度)において、見学会の報告を行ったほか、会報誌「ゆうあい」に報告を掲載した。
原子力発電所が立地していない和歌山では原子力に対する関心度は高いとは言えないが、会員が一堂に会する機会に情報発信することは今後、原子力に関する諸課題を議論して行くうえで非常に有意義であると思う。一方で原子力については機器、放射線および地域の理解など複雑な事が多く、単発の情報発信で理解を得ることは非常に困難である。
今回の視察を機に賛否は別として出来る限りの情報発信と議論の機会を積極的に設けていきたい。
会報誌「ゆうあい」への掲載記事
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- 高レベル放射性廃棄物がこのような方法で保管されているとは思わなかった。
- 日頃、電気を使う側でしか見ていなかったが、電力会社、処理会社、整備機構それぞれの立場の見方が出来て良かったと思う。
- 想定以上に安全に配慮されていると感じた。また、高レベル放射性廃棄物も適切に管理すれば怖れるべきものではないことが分かった。
- 廃棄処分については今後もまだまだ問題が残っている。
- 廃棄物貯蔵管理量が増加しているのは、未だに処分の道筋がつかないのに原発がどんどん再稼働されて再処理量が必然的に増加する、将来原発縮小の方向で解体も必要、膨大な処理量と費用が必要。
- 今までは最終処分の事でも、自分の居住する都道府県ではなしに、他人事で済ませていた。国も一人ひとりが真剣に考え、行動をすべきと考える。
- 高レベル放射性廃棄物の処分については、色々な方法からかなり信頼できる処分法に進化していると思った。しかし、まだまだ理解されていない人々がいる現実。永遠のテーマになるのかと思う一方で人体に害を及ぼす事のない方法を一番希望する。放射能を浴びることによって、人体に及ぼす影響についてもっと分かり易く説明をして頂けたら良いと思った。処分場についてもそういう危険な説明とメリットのある説明をして頂けたらと思う。