島根大学 環境経済論ゼミ(島根県)
- 団体の設立経緯・概要
「島根大学環境経済論ゼミを1999年に発足して以降、環境問題の現地調査を重視し、学生が国内外の環境問題の現状と環境政策の仕組みを理解することを目指してきた。毎年現地調査を行い、調査結果を報告書にまとめ、口頭発表にも取り組んできた。
主な調査先として、岡山蒜山地域の景観破壊問題と地域づくり、島根原子力発電所の現地調査、鳥取県人形峠のウラン鉱山跡地の調査、富山県イタイイタイ病の現地調査、大気汚染公害の現状と環境再生の取り組み(大阪市西淀川区、岡山県水島)、岡山県真庭のバイオマスの利活用、再生可能エネルギーの現地調査(高知県檮原町)、山口県美祢市での地中熱エネルギーの現地調査、地熱エネルギーと観光事業、景観保護のまちづくりの現地調査(大分県別府市、由布市)、隠岐海士町・隠岐の島町のグリーンツーリズムとジオパークの現地調査などである。
- 企画者の感想
今回の視察では、核燃料サイクルや放射性廃棄物処分の科学・技術的な説明を専門家から聞くことができ、また六ヶ所村再処理工場の現場を視ることによって、参加学生はこの問題を体系的に理解することができたと感じている。とくに、六ヶ所村の住民の方の講演は、文献を読むだけでは知ることができない貴重な情報を聞くことができた。
視察前に、テーマを決めて事前学習に取り組んだこともあり、初日の学習会では参加学生全員から多くの質問が出され、意欲的に取り組むことができた。原子力発電問題は幅広い複雑な専門知識を必要とするが、今回の視察によって、この問題への多様で深い考察する機会になった。この後、一人一人の問題意識や疑問を踏まえながら参加学生はレポートを作成するが、その過程でゼミ内で報告会を行い、より深い考察を目指していく。
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- 自分で調べて画像や文字で見るよりも実際に六ヶ所に村に行って模型や処理場を見ることができてより理解が深まったし、もっと深い所まで関心が高まった。
- もう少し質疑応答の時間があるとよかった。(時間の制約があるのでしょうが)
- 事前学習してきただけではよく分からなかったことが、模型を見たり実際に貯蔵しているところを見て、来る前より理解が深まったと思う。
- 施設内の警備がすごすぎて出られなくなるかと思った。図でみるより、実際に動いているのを見る方が理解が深まった。経済についての質問がしにくい内容だった。
- 事前学習で予め廃棄物や再処理のことは学んでいましたが、実際に話を聞いたことや、見学をしたことで、さらに知識が深まり、よい経験となりました。
- 資料を見ただけでは、ウラン鉱石から放射性廃棄物までのイメージがつきにくかったが、実際に現場を見ると理解できた。
- 実際に再処理工場を見学して、工場の大きさや費用、労働人数などを知ることができた。また、本などでは知れないようなことを質問で知ることができた。
- 実際に現地に来て、地元の人々の声を聞いたり、工場見学をできたことはとてもいい経験になりました。
- 紙の上で勉強するのと実際に見るのでは印象が変わった。もっと住民の生活と隔離された場所に建っていると思っていたが、テニスコートや体育館がそばにあり、住民の生活に密着している感じがした。