生活者の視点で原子炉を考える会(大阪府)
- 団体の設立経緯・概要
今回の参加者が居住する南大阪には、京都大学複合原子力科学研究所があり、幼少期を地元で過ごしたメンバーには、市内のあちこちに建てられていた「原子力反対」の立て看板が脳裏の片隅に残っている。代表はこれまで、瑞浪超深地層研究所の六ヶ所村の見学や勉強会に参加したことがあり、高レベル放射性廃棄物の地層処分について知見を深めてきた。そんな中、原子力関係のトラブルが発生する都度、原子力を身近に感じつつも、知識として十分理解できず、メディア報道に翻弄されてしまうことがしばしばあった。大阪の口コミの発信力に期待して、理髪店主や中学校の教師に見てもらいたいと強く思い、本企画の参加を募った。
参加者の生活者の視点及び、「家族」という集団の視点は、本テーマの堅くて難しいイメージを和らげ、参加者の正しい理解を深められると考えている。参加者は大工、教師、留守家庭児童会(学童保育)指導員、会社員、主婦などの生活者(一般消費者)であり、日常生活で当たり前のように使用している電気とのかかわり方も含めて、それぞれの立場でどのような見解や感想を持つのか、確認したいと考えている。このような企画がなければ原子炉について勉強する機会が持つのが難しいメンバーでもあるので、大変貴重な有意義な機会であると考えている。
- 企画者の感想
- 一般市民の会にもかかわらずあえて事前学習を行わなかったが、皆さん熱心に取組んでもらえて企画・立案した者としては、実り多き時間だった。
- 参加後の対応も、勉強会や視察内容の写真にコメントを加えてアルバムにまとめ、以下の啓発活動を実施した。
- 理髪店の待合に置いて、お客様に待ち時間を利用して閲覧した。
- 中学校の学校行事や授業に活用して、生徒へ知識を伝えて、当事者として考えてもらう。
- 主婦の参加者は、ランチ会でアルバムを回し読みして、情報提供を行う。
- また、理髪店主は、理髪店協会の役員を務めており、支部の活動報告として発表し、さらに南大阪支部でも報告予定がある。これまでの専門家集団の引率とは異なる広がりが見られる。大阪の口コミ力を信じた甲斐があった。
- 参加者の感想(アンケートから抜粋)
- いかに中途半端な知識しかないことを認識する機会となった。参加を機により関心を持ち、正しい理解につながる活動をしたいと思う。
- 東海村の研究内容(特に福島原発の廃炉に至る研究)を説明してくれたので、私の知りたい事を教えてくれた。
- 目に見えない放射性物質について研究されている方に、実際にモデルやスライドを使って説明していただいたことで、今まで誤解していたことやわからなかった所を理解することができた。
- 一生の中で経験できなかったと思う。実現できた事、貴重な事で嬉しかった。
- 日常生活ではあまり意識していない事に関し、長期の研究で安全を担保していることに感動した。
- 原子力発電、高レベル放射性廃棄物の基礎etc、全てにおいて無知でしたが、少しは理解出来たように思う。
- エネルギーの大切さ、地層処分の処理、研究所の毎日の仕事の大変な事など、今回の勉強会に参加させて頂き有難うございました。
- 核燃料サイクル工学研究所など見学させて頂き、エネルギー及び環境問題、放射性の廃棄の大切さを少しでもこれからの生活をする上で関心を持たなくてはと思う。
- CO2の削減とエネルギー使用量の削減が現状の発電バランスでは両立できない。