月刊誌 原子力文化 インタビュー

原子力文化2022年1月号 新年のご挨拶(抜粋)

2022年・令和4年を迎えて

 

(一財)日本原子力文化財団理事長
桝本 晃章  氏 (ますもと・てるあき)

神奈川県生まれ。1962 年東京電力入社後、企画部広報課長、電気事業連合会広報部長、東京電力取締役広報部長、常務取締役、取締役副社長、電気事業連合会副会長などを歴任。2018年7月から現職。

感謝
2022年・令和4年の年明けです。
新年のご挨拶を申し上げます。
財団を支えて下さっている“賛助会社”をはじめとする関係の皆様、
月刊「原子力文化」の読者や執筆者の皆様、その他各面で財団を支えて下さっている多くの皆様方!
有難うございます。
感謝を込めて、新年のご挨拶を申し上げます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

 

新年にちなんで、世界を展望し、私たちの足元にある現実と課題を見てみました。足元には、一昨年から引き続く新型コロナウイルスの感染拡大によるパンデミックがあります。また、昨年11月には、英国のグラスゴーで、気候変動に関する国連の会議がありました。COP26です。地球温暖化問題は、人間の文明社会の歴史と現在の全ての活動を背景にして起こっています。
原始の昔、人類は、“火”によって、煮炊きを始めました。それによって時間ができ、そして、“人間”になってきました。さらに、後ほど触れる、“産業革命”が、現代の社会を築きあげる“機械文明”をもたらしました。おかげで人間は豊かになってきました。その豊かさの“コスト”、あるいは、“影”が、この気候変動問題です。この問題を“石炭利用問題”だけに、矮小化してはいけないと考えます。
気候変動問題は、象徴的なテーマです。なかなかに厳しい現実に触れることになりますが、新年に考える良いテーマだと思います。お許しいただき、読者の皆様にもご一緒に考えていただきたくお願い申し上げます。

 

パンデミックの影響……貧困の増大

 

一昨年、昨年と、世界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、各面で大変に厳しい状況でした。日本も例外ではありませんでした。
このパンデミックは、医療関係者の皆様方の日夜を分かたぬ献身的なご努力、そして、新たに開発されたワクチンや投薬によって、収束に向かっていると期待しております。しかし、昨年末、コロナウイルスに、“オミクロン”と名付けられた変異種、新・新型ウイルスが出てきていて、予断が許せません。
今回のパンデミックによる最も大きな影響は、世界で貧困が広がり、経済格差が拡大していることです。世界銀行は、2020年、世界で一億を超える人たちが極度の貧困に陥り、20年ぶりに極度の貧困層が増加したと報告しています。特に、アフリカ地域をはじめとして子供たちに影響が大きいようです。なお、“極度の貧困層”とは、1日当たり約200円(1.9ドル)の生計費で生活する人たちと定義されています。

 

(一部 抜粋)






2022年1月号 目次

風のように鳥のように(第145回)
香りがネック/岸本葉子(エッセイスト)

新年のご挨拶
2022年・令和4年を迎えて/桝本晃章((一財)日本原子力文化財団理事長)

世界を見渡せば(第13回)
証言台に立った被告人エリザベス・ホームズ/関 美和(翻訳家・杏林大学外国語学部准教授)

特別寄稿
コロナ禍の今後を考える/唐木英明((公財)食の安全・安心財団理事長)

中東万華鏡(第70回)
山の老人/保坂修司(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 理事・中東研究センター長)

おもろいでっせ!モノづくり(第109回)
年賀状で自分の足跡がわかります/青木豊彦(株式会社アオキ取締役会長)

ドイツでは、今(第43回)
フランスを見習え/川口マーン惠美(作家)

温新知故(第34回)
水中考古学で探る琵琶湖湖底遺跡の謎/斉藤孝次(科学ジャーナリスト)

交差点


 

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